県立、市立夜間中学校で初の入学式

 名古屋市立なごやか中学校、愛知県立とよはし中学校で7日夜、初の入学式が開かれました。なごやか中では15~88歳の計35人、とよはし中では10代から60代までの計23人の新入生が式に臨みました。

 夜間中学は、敗戦後の混乱期に学校に通えなかった人に義務教育の機会を与える目的で設置が始まりました、そして愛知県は2020年の時点で義務教育未修了者が全国で二番目に多い自治体であるにもかかわらず、「半世紀以上にわたって公立夜間中学が一校もない状態が続いていた」のです。写真は2025年4月9日付『毎日新聞』の紙面(一部)です。潜在的需要が大きいことと、設置の遅れという点で、愛知県が特筆すべき自治体であることが指摘されており、記事に敬意を表します。

 なごやか中学校の入学生代表となった88歳女性はみんなの前でマイクに向かって次のように決意を述べたといいます:

「戦争や家庭の事情で学ぶ機会を十分に得られなかった私は、本来なら学校で学ぶべきことをたくさん積み残したまま大人になりました。一生懸命学び直し、自分の力で本が読めるようになりたい。」

 学校に通うことができなかったけれど、88歳になって中学校に入学して一生懸命勉強したい、そして自分の力で本が読めるようになりたい、と彼女は話したのです。

 この言葉に、私たちは彼女の勇気と誇らしさ、情熱を強く感じます。そしてなぜ、もっと早く、このような学び直しの機会が彼らに与えられなかったのでしょうか。どれほど悔しい思いをしながら、人生を歩んでこられたのでしょうか。こうした新入生たちが「入学してよかった」と思えるような、楽しく実り多い夜間中学校であってほしいと思います。そして私たち『はじめの一歩教室』も、生徒たちを地域で支える力として全力を尽くしたいと思います。

自主夜間中学はじめの一歩教室

日本に住む外国の人たちへ日本語支援と教育支援

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