2025年3月30日。名古屋市中村区の映画館「シネマスコーレ」で、ドキュメンタリー映画『新渡戸の夢~学ぶことは生きる証~』の自主上映会がありました。「愛知夜間中学を語る会 はじめの一歩教室』は、この映画を応援しており、この日は上映後、支援者があいさつをしました。
新渡戸稲造が1894年に札幌で開いた「遠友夜学校」は、恐らく日本史上初の夜間の学校です。貧困などのため学齢期に学ぶことのできなかった子どもたちのための学校は、敗戦間近の1944年に軍が要求した軍事教練の導入を拒否して閉鎖の憂き目にあいました。その50年間に実に約1,170人が卒業しました。その精神を引き継ぎ、1990年に「札幌遠友塾 自主夜間中学」が開設されました。
名古屋市内で活動する自主夜間中学「はじめの一歩教室」は、2020年8月に始まりました。私たちにとり、「札幌遠友塾」はさまざまな知見を学ばせていただいている、いわば大先輩に当たります。同時に公立夜間中学の設立を全国に求める運動を主導する大きな役割を果たしてきました。
2020年の国勢調査の結果、学齢期を超えて義務教育を修了していない国民が日本に約89万人いることが初めて判明しました。都道府県別では北海道が最多。そして愛知県は第2位でした。戦後の引き揚げ者の再入植の場としての北海道の特殊な事情が背景にありました。また愛知県では工業生産活動に従事する労働者が多いという事情もあったと思われます。いずれにせよ、読み書き、計算に困難を感じる大人が、高齢者がたくさんいるのに、彼らが勉強したいと思った時に、その意欲を受け入れる施設がなかったのです。
北海道では高齢者が多いのですが、愛知県では外国ルーツの子ども、若者、彼らの母親が多く教室に通っています。そうした支えが必要な人のために2025年4月、愛知県立、名古屋市立の、つまり公立の夜間中学がようやく開設されます。
その絶好のタイミングで、名古屋市内でこの映画が上映されています。読み書きができないこと、計算が不得意な人たちは、そのことを知られないように何十年も生きてきました。そのつらさは映画から伝わってきます。友達と一緒に教室で学ぶことの楽しさ、そして彼らを支えようとする支援者たちのスピリットも伝わってきます。私たちはまだ微力ではありますが札幌遠友塾に連帯し、活動を続けます。4月11日まで、同館で上映しています。ぜひ足をお運びください。上映時間などは「シネマスコーレ」のHPでご確認ください。
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